人生は山あり谷あり。多かれ少なかれ心の状態の大きな浮き沈みを経験したことがある人も多いのではないでしょうか。
レジリエンスとは、困難や逆境に直面したとき、どのようにそれを乗り越え、さらにはそれを機会として成長する能力を指します。多くの人は、レジリエンスを「心の回復力」として捉えており、この能力があることで、予期しない出来事に対して柔軟に対応し、ストレスを軽減することが可能です。レジリエンスは生来の能力だけでなく、後天的に高めることができ、心理学的なアプローチや生活習慣の改善によっても向上します。この基本を理解することが、自分自身の心を強くし、困難を乗り越える力を養う第一歩となります。
仕事をするうえで「心が折れる」「逆境に負けそう」といった経験を誰もがしています。どんなにやりがいのある仕事でも、大なり、小なりのストレスを感じることになります。大事なことは、ストレスが降りかかったときにどのように自分の心をマネジメントしていくかです。
新入社員や若手社員の方はストレスの耐性が少ないので心が簡単に折れてしまい、早期退職といった人事を悩ます決断をしてしまう場合も少なくありません。レジリエンスの鍛え方をできるだけ早い段階で教えることは極めて重要なことといえます。
心の強さを育むためには、自己理解を深めることが欠かせません。自分の感情や思考パターンを見つめ直し、何が自分を不安にさせ、何が喜びをもたらすのかを理解することから始めましょう。日記をつける、専門書を読む、または静かに瞑想するなど、内省のための時間を設けてください。これにより、ストレスの根本原因を特定し、より健全な方法で対処する手段を見つけることが可能になります。
ポジティブ思考はレジリエンスを高める重要な要素です。困難な状況でも楽観的な視点を持つことで、心の負担を軽減し、問題解決能力が向上します。ポジティブシンキングの取り入れ方として、日々感謝できることを意識し、成功や幸福を成長の一部として捉える習慣を身につけると良いでしょう。ポジティブな言葉を自身にかけ続けることも、心の健康を維持するための強力な手段となります。
また、定期的な運動は心の健康に多大なメリットをもたらします。身体を動かすことでストレスホルモンが減少し、エンドルフィンの生成が促進され、気分が向上します。ウォーキングやヨガなど無理なく続けられる運動を日課にすることで、心と体の調和を保つことができます。また、運動を通じて達成感を得ることで、自己肯定感が高まり、逆境に立ち向かう力が養われます。
レジリエンスを高めるには、明確な目標設定とそれに向かう向上心を持つことが不可欠です。具体的で達成可能な目標を持つことで、自信をつけ、進歩を実感できます。また、目標を段階的に設定し、小さな成功体験を積み重ねることで、困難に直面したときでも前向きな姿勢を維持しやすくなります。自分の成長を続ける意欲を保ちながら、柔軟に目標を修正することも忘れずに。
レジリエンスは、心の強さを育み、困難に立ち向かう力を高める大切な能力です。心が折れてしまったときこそ、自分自身を見つめ直し、新たなステップを踏み出す時です。自己理解を深め、ポジティブ思考を活用し、他者のサポートを受けることで、心の打たれ強さを構築できます。日常生活では、マインドフルネスや運動を取り入れ、健康的な習慣を維持しましょう。専門家のサポートも有効です。目標を設定し、向上心を持ち続けることが、長期的なレジリエンスを築くカギとなります。次のステップとして、これらの方法を生活に取り入れ、少しずつ心の回復を図りましょう。勇気を持って前に進むことで、より強い自分を見つけることができます。
レジリエントな人・レジリエントではない人
レジリエントな人は、逆境に遭遇してもうまく乗り越えることができます。以下はレジリエントな人がもっている特徴です。
・考え方が多様・気持ちの切り替えがうまい・自分にも人にも優しい・周りの人と協力関係を築ける
・チャレンジを続ける・自分の良い面を認識している
レジリエントではない人は、仕事の上でたびたび訪れる逆境に対して弱いため、通常のパフォーマンスを発揮できるレベルにまで回復するのに時間がかかります。レジリエントではない人には、以下のような特徴があります。
・気持ちの切り替えが苦手・考え方の柔軟性が乏しい・自分にも人にも厳しい・一人で抱え込む
・対人緊張が強い・チャレンジしない・自分のネガティブな面ばかりに目がいく
次回からは、レジリエンスを高める方法について考えていきます。