リテンションとは
リテンション(Retention)とは直訳すると、「維持」「保持」といった意味であり、人事用語としてのリテンションの意味は「優秀な人材の離職を防ぎ(人材流出防止)、「継続して活躍してもらうための施策」といった意味でありリテンションマネジメントとか、リテンション戦略とも呼ばれています。
なぜ昨今リテンションが注目されるのでしょうか
リテンションが注目されるようになった背景は主に以下の2点かと思われます。
現在のわが国では少子高齢化、団塊の世代の大量退職により労働人口は減少傾向にあり、企業は必要な働き手を確保できず、「慢性的な人材不足」に悩まされています。このような状況下でも企業は生産性向上を目指していくことが必要なため、社員が長く働き続けてもらうためのリテンションへの取組みが企業の重要な経営課題になっていると考えられます。
人材の流動化
もう一つの背景としては「人材の流動化」が挙げられます。現在の労働市場では定年まで一つの企業で働き続ける終身雇用の概念が弱まりつつあり、転職市場の活発化が見受けられます。また、令和4年10月28日に発表された厚生労働省によると、新規高卒就職者のうち35.9%、新規大卒就職者のうち31.5%が離職しており、新入社員のおよそ3人に1人が3年以内に離職しています。若年層の早期退職が多くなっていることもリテンションが注目される背景の一つであるといえます。
多くの日本企業にとって新卒一括採用や終身雇用が当たり前であった時代には、「人材を定着させる」ということをあえて意識する必要はありませんでした。
しかし長引く不況の末、経営を取り巻く環境は不確実性を増し、従業員の雇用を将来的に保障することが難しくなっています。そこに労働力不足も相まって転職市場は活発化し、優秀な人材の流出がしやすくなるという状況が生み出されたのです。
働き方の多様化
労働環境の変化は、働く人々の価値観にも影響しています。人生を仕事中心に考える人は徐々に減り、ワークライフバランスを重視する人が増えてきました。一方、仕事に対しても収入のためだけでなく、やりがいや成長を考える傾向が高まっています。
従業員を定着させるために、企業はより柔軟な制度や、仕事へのやりがいを高めるための工夫が求められるようになったといえるでしょう。
リテンション施策を積極的に取り入れることによって、採用や育成コストの削減、知識やノウハウの流出防止、そして社員のモチベーションが高くなり、結果的に離職の防止につながります。
北陸で唯一、リテンション事業を専門に取り組んでいる企業があります。昨年の11月に石川県の小松市で起業した株式会社リテンラボ(社長:谷川景政さん)です。
同社は社員の定着率向上を目指す企業に対して、独自の洞察力とコミュニケーション力を駆使し、働きがいのある職場づくりを支援する最良のパートナーを目指しています。若い社員と経験豊富な専門家が一体となってクライアント企業の従業員との個人面談やそれに基づく分析を通じてお客様との信頼関係を構築している企業です。