4月に入社した新入社員たちは、3か月が経ち、少しずつ職場にも業務にも慣れてきた頃ではないでしょうか。企業によっては6月末で試用期間を終え、7月から“正式なメンバー”としての第一歩を踏み出すタイミングでもあります。

そんな7月は、新入社員にとって「自立(自走)」の先にある、“貢献”という視点を育む大切な時期。今回は、7月における育成のねらいや具体的なアプローチについてお伝えします。

◆ 4〜6月の育成ステップを振り返る

・4月:心の安全地帯をつくる
 不安や緊張を取り除き、安心して発言・行動できる雰囲気づくり。
・5月:できた!を積み重ねる
 小さな成功体験で自信をつけ、「やればできる」を体感させる。
・6月:自走を促す
 自ら考え、自ら行動する力を引き出す段階。指示待ち脱却を目指す。

◆ 7月の育成テーマ:貢献感を育てる

新入社員にとって、7月は“チームの一員として成果を出す”ことを意識させたいタイミングです。つまり、「ただ業務をこなす人」から、「誰かの役に立つ人」へと意識を切り替えるフェーズに入ります。

◆ 育成目標の具体例

育成カテゴリ目標例
行動面・指示される前に動く
・周囲の状況を見て、自分ができることを探す
・チームの業務全体を理解し、サポートに入る
思考面・「この仕事は誰のためか?」を考えながら行動する
・自分の業務の“先”を想像し、気配りや先回りをする
関係性・報連相に加えて「共有・相談」も意識する
・先輩や上司と目的を共有しながら動ける
態度面・任されたことに責任を持つ
・自分の働きがチームに影響していることを理解する

◆ 育成支援のポイント

7月は、育成担当者が「会社やチームへの貢献」を感じさせる仕掛けをつくることが大切です。
以下のようなサポートが効果的です。

・簡単な業務改善提案を依頼する
 →「もっと効率よくできそうなこと、ある?」と問いかけることで、考える力と主体性を刺激します。

・“貢献実感”を言語化させる
 →「今日、誰かの役に立ったと感じたことあった?」などの問いで振り返りを促す。

・小さな役割や任務を与える
 →たとえば、朝礼司会・備品管理・会議資料準備など、誰かの役に立つ“役割”を与えましょう。

・先輩社員の「貢献エピソード」を共有
 →新人が“会社で貢献するとはどういうことか”をイメージしやすくなります。

◆ 指導者からのメッセージ例

7月の指導で大切なのは、“貢献する喜び”を伝えること。
こんなメッセージを添えてみてはいかがでしょうか?

「できるようになった、の次は、誰かの役に立てたかどうか。
その経験は、あなたの仕事人生の“やりがい”の土台になります。」

まとめ:7月は“やりがいの芽”を育てる月

4〜6月で基礎力や自立心が育ってきた新入社員。
7月はそこに「役に立つ実感」「誰かに必要とされる経験」という栄養を加えることで、社会人としての“やりがいの芽”が育ち始めます。

「自分の存在が、チームに貢献している」と実感できた新人は、その後の離職リスクも大きく下がり、成長スピードも格段に上がります。

ぜひ、7月は「貢献感を育てる」育成月間として、新入社員との関わり方を工夫してみてください。